昨今、話題の卵かけご飯。
卵かけご飯用に作られた専用のお醤油が発売されたり島根県雲南市では、『卵かけごはんサミット』が開催されるなど、このところ何かと卵かけご飯について取り沙汰されることが多くなっています。
あったかご飯に卵を割り入れるだけのシンプルなものですがその分、こだわる人には、奥深い世界が広がっております。
そもそも卵かけご飯を最初に食べた日本人は、東京日日新聞(現、毎日新聞)編集長の岸田吟香で、明治10年頃従軍記者だった彼が卵と円筒状の容器を持ち歩き、その容器に卵を割り入れシェイクしたものをご飯にかけて食べたものが始りといわれています。 そうしてみると、時間のない朝、または簡単に済ませたい夕食にご飯に卵をかけて…というのはその成り立ちから考えても手軽さと栄養価をそなえたとても良い食事といえるでしょう。
卵には、レシチンが多く含まれています。レシチンは血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増やすため 動脈硬化予防やサラサラ血液、ボケ防止、糖尿病などの症状に効果があるのですが、このレシチン等の脂質は、60℃以上に加熱することにより壊れ始めることがわかっています。ですから、生たまごを食する卵かけごはんはそのその意味でも合理的といえるでしょう。
さて、栄養たっぷり、美味しく気軽に食べられる卵かけごはんですが、たまにはこだわって食べるのもまた一興。例えば、いつもより大ぶりのちょっと高価などんぶりや抹茶碗などを用意してご飯をよそい、信楽焼きの片口にそっと卵を割り入れる。トッピングには、老舗のはぜの佃煮や塩こぶ、水なすの漬物、サイコロに小さく切ったチーズ(以外と合います)等々・・。
もちろん、元々が簡単素朴な料理ですからあまりに凝るのもやり過ぎかもしれませんが。 さて、新米も炊けたし、卵もあるし 冷蔵庫の中には楽しみに取っておいたホヤの塩からもあります。
お腹がすいたところで、今日はこれまで。
ただ最後にひとつ。
器がたとえ紙皿でも付け合わせが何もなくても、ご飯がレンジでチンしたものでもちっとも構いませんが、卵だけはこだわりたい。
生で食べるものですから、安全で安心で何より美味しくたべられる卵を選んでくださいね。